2012-10-26

イソギク

箱根海沿い、21.3度(午前11時20分現在) 小春日和(初冬の暖かい日和)…と呼ぶにはまだ早いでしょうか? 青空と日のぬくもりを感じる、穏やかな一日です。

みなさまの地方はいかがでしょうか。

春、3月3日に桃の節供(本来旧暦なので現在の4月上旬頃)、
夏、5月5日に端午の節句(同、6月上旬頃)があるように、
旧暦9月9日に菊の節句というのがあります。(今年は23日でした)

春にたくさんの生命が生まれ、
夏ににぎわい、
中秋に実りがもたらされ、
冬を間近にしたこの時期、
多くの生きもの(昆虫や一年草…)は役割を終えて土に帰り、周囲はまた静かになっていきます。

幸い私達人間は、何十年かの寿命があります。

他の節句同様、菊の節句は、中国から伝わった行事です。縁起の良い9という奇数が重なる日に力をもらい、静けさに帰る自然の中で、これも霊力のある菊の花を飾り、杯に浮かべ、静かに歓談しながら、生命の永らえんことを祈るものです。

日本では、明治以降新暦(グレゴリオ暦)を採用して、新暦の9月9日では、菊の季節感が合わないため、今では廃れてしまいましたが、旧暦を思い出して、祝ってみるのも良いのではないでしょうか。


明日は、ちょうど十三夜です。


写真は、イソギク。
伊豆諸島と、関東南部から静岡県東部の沿岸地域にのみ分布する野生の菊です。

普通の菊で花弁のように見える舌状花がなく、中心の頭状花だけとなる花が特徴的です。
黄金色の花と銀緑色に白い縁取りのある葉のコントラストが美しいので、古くから栽培もされています。